今回は、割安放置されていると話題の石油株「ビスタ・エナジー(VIST)」にスポットを当てます。
最近、ぐんぐん株価を切り上げているVISTですが、この上昇気流に素直に乗っています!が、どこまで調子に乗って良いのでしょうか?
そこで今回は、じっちゃまの教えである「リザーブ・リプレースメント・レシオ(RRR)」という指標から、VISTの投資分析をしてみたいと思います。
リザーブ・リプレースメント・レシオが100%を超えているか?
「リザーブ・リプレースメント・レシオ(Reserve Replacement Ratio:RRR)」は、エネルギー株に乗るときに見ておくべき指標です。
石油会社が持っている確認埋蔵量から単年度(または特定期間)に生産した石油ガスを回復し、翌年度以降も問題なく生産を継続できるかを示しています。計算式は以下のとおり。
※引用元:石油・天然ガス資源情報

なんだかややこしい計算式ですね…。カンタンに解釈するなら、「RRR=持っている資源−生産売却済み資源」になるのでしょう。
とにかく、石油会社に投資をする際の分析ポイントとして、これが100%を超えているかどうか?をひとつの判断材料にできる…というのが、じっちゃまの教えなのです。
優良な石油会社は、掘り起こした資源を補えるだけの埋蔵量を確保する必要があります。RRRが100%を超えていれば、生産した以上に新しい確認埋蔵量を発見したことになり、これが健全な姿である…というわけです。
RRRは、単年度生産で比較すると言われていますが、「単年度比較では、大きな油田の発見や買収に数字が左右されやすいので、10年単位ぐらいの長期で比較すべき」だそう。
VISTの場合は、2017年に設立された若い企業ですので、ここではまず企業側のリリースがどうなっているのか、そして今までの通期決算資料でどんな発表をしてきたか確認してみます。
2023年4月現在、VISTの最新決算情報は、2022年第4四半期の決算資料です。このうち、プレゼンテーション資料からRRR数値を確認してみます。資料はこちらです。
https://vistaenergy.com/contenidos/1677246461.pdf
ありました!RRRの数値は10ページ目に公表されています。
2022年通期のRRRは、495%です。100%超えていますね!
実際の埋蔵量は251.6MMboeで、この数字は前年同期比39%増となっています。つまりRRR成長率が39%ということです。
資料に記載されている部分をDeepleちゃんで翻訳すると…こんな感じ。
P1埋蔵量は251.6MMboeに増加し、前年同期比39%増となる。
Vaca Muertaの在庫を900ウェルに増加
・アグアダ・フェデラルとバンドゥリア・ノルテの100%WI取得完了(最大300本の新規井戸を掘ることができる。)
・バハダ・デル・パロ・エステでの初期試験結果(最大50カ所の新規井戸を設置)
「P1埋蔵量(P1 reserves)」とは、「Probable 1」の略です。回収可能な資源を指す石油・天然ガス資源の評価のひとつです。つまり、P1埋蔵量というのは、確定的に回収可能な埋蔵量を意味しています。

ちなみに、P2(確実性が低く、改善する可能性がある埋蔵量)やP3(確実性が最も低く、改善する可能性が低い埋蔵量)といった他の評価もあります。
WI取得完了(WI acquisition)というのは、「Working Interest acquisition」の略。石油・天然ガスの開発で権益を持つ者が生産から発生する費用に応じてその分の収益を得ることを意味する権益形態のひとつ。権益を拡大することを「WI acquisition」と呼んでいます。
例えば、「100% WI acquisition of Aguada Federal and Bandurria Norte」という記載は、「アグアダ・フェデラル」と「バンドゥリア・ノルテ」という地域の100%の権益を取得し、これにより最大300の新しい井戸の開発が可能になったという意味になります。

ふむふむ、となるとVISTはまだまだ成長余地があるということですね!
まとめ
見るべき指標は他にもたくさんあると思いますが、今日はRRRの確認でした。2023年4月16日現在、VISTのPERはFWDで6.04倍です。

セクター平均で8.64倍ですから、まだ上昇余地があると予想しますので、僕はもう少し買い増しします。
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