公募増資が発表され、「アット・ザ・マーケット・オファリングだからヤバイよ〜」って、言われているけど、これは一体どういうことなのか?
アット・ザ・マーケット・オファリング(略して、ATMと表記されることがあります)は、じっちゃまライブでも頻出単語のひとつになっていますので、きちんと理解しておきたいです。
非常に横着な公募増資。ATMを憎む習慣をつけて!
At the market というのは、注文の入れ方で「成り行き注文」ってあるでしょ?これが、「アットマーケット」という注文の入れ方なんですよ。合法か違法かといえば合法。ちょっとでも株価が上がりそうになったら、すぐに主幹事が売り物をぶつけてくるので要注意です。
非常に横着なやりかた。僕は大嫌い。
公募増資「アンダーライティング」と「アットザマーケットオファリング」の違い
企業側が「何億円調達したい、あるいは何株出したい」と公募増資する場合、普通はアンダー・ライティング方式をとります。
「アンダー・ライティング」というのは、企業から公募の依頼を引き受けた主幹事が「はい、わかりました〜。それではその株数を私が売って差し上げます!」といって、毎日場が立っている株式市場とは別に、投資銀行が機関投資家のところへ行って「この株、買いませんか?」といって勧誘するやり方。これが、伝統的なアンダー・ライティング方式になります。
それに対して、投資家とのミーティングや営業活動を一切省略して、個人投資家が参加している株式市場で、投資家の買い注文に対して五月雨式に売りをぶつけていくのが「アット・ザ・マーケット・オファリング」。
投資家の買い注文に対して、しれっと新株を売ってくるので、投資家が買っても買っても、株価が上昇しない。
これは、お手軽な株式の発行のやり方。もっと言えば、株価が崩れるのを100%承知した上で、自らわざと株価を崩しにいくような資金調達のやり方なんです。だから、自分で自分の首を絞めているようなもの。
なぜ憎きアット・ザ・マーケット・オファリングをやるの?
「アット・ザ・マーケット・オファリング」がどういうときにやるか?たとえば何か良いニュースが出て、投資家が買いに行こうとするときに狙い澄まして売りをぶつけるやり方。
だから怖ろしい!
たとえば、これカーニバル(CCL)が、今やっています(2020年12月時点)。
CCLは、新型コロナでクルーズ船が全部ストップしている。だけど、個人投資家は「もうすぐワクチンができるので、旅行関係は買いだよね〜♪」ってと思うわけじゃないですか?
そんなとき、「カーニバル(CCL)にいこうかぁ!」と買い注文をいれたら、そこに売り注文をぶつけられるんです。
チャートを見てもらえばわかると思うけど、全然うごいていないですよね。それは売り圧力があったから。
人が悪い!僕らが引き受けの仕事をしていたときは、「アット・ザ・マーケット・オファリング」なんて、本当にやくざなやり方としてみられていて、「人でなし!」っていいたくなるほど、ひどいやり方としてみていた。
ところが今では、あたかも普通のことのように横行している。
昔だったら、モルガンスタンレーとか、ゴールドマンサックス、JPモルガンとか、上品な投資銀行だったら、絶対に「アット・ザ・マーケット・オファリング」なんかできなかった。
道で、ケツまくってうんこ💩しているのと一緒だよ。そのぐらい恥ずかしいこ行為なんです。
だから、「アット・ザ・マーケット・オファリング」というものを憎む習慣をつけてください。
まとめ
公募増資が発表されたら、一般的な「アンダー・ライティング」方式か、憎むべき「アット・ザ・マーケット・オファリング」方式かを確認すること。
「アット・ザ・マーケット・オファリング」だったら、しばらくその銘柄は購入せず、終了するまで様子を見よう。
「アンダー・ライティング」の場合、買い出動するなら公募価格を下回らないことを確認してからにすること。
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