はじめに
ここでは、金が買われやすい時・売られやすい時、そして金への投資方法や金鉱株の特徴を中学生でも分かるよう、できるだけわかりやすい言葉でまとめてみました。2026年の金相場についても見通しも含めていますが、あくまでも投資は自己責任でお願いします。
金が買われるとき・売られるとき
金が買われるとき(ゴールドが人気になるとき)
金は「安全資産」と呼ばれ、世界が不安になると買われやすくなる傾向があります。
-
-
金融の不安があるとき
例:大きな銀行がつぶれそう、世界の景気が悪い…など。 -
ドル(アメリカのお金)が弱くなったとき
アメリカが大規模な金融緩和を行うと、ドルが弱くなり、金が買われやすくなる。 -
インフレが始まったとき
物の値段が上がり始めると、「お金の価値が下がるのでは?」と心配して金が買われる。 -
金利が下がるとき(金融緩和)
金は利子がつかないので、金利が低いときは不利になりにくい。 -
中央銀行が金を買っているとき
アメリカとの関係に不安を持つ国が、ドルではなく金を買って準備を増やしている。 -
新興国がリスクに備えるとき
例:ロシアの資産が凍結されたあと、多くの国が「自国の資産を守るために金を買おう」と考えた。 -
金を掘る会社が生産を減らし、需給が引き締まったとき
-
金の価格が過去最高値を超えそうなとき
いわゆる「ブレイクアウト」して、新値を取りに行くとき。新しい買いが入り、価格が上がりやすい。
-
金が売られるとき(ゴールドが不人気になるとき)
-
金利が上がるとき
金は利子がつかないので、利子の高い銀行預金や国債が人気になり、金が売られやすい。 -
ドルが強くなるとき
アメリカの金利が上がる → ドルが強くなる → 金は下がりやすい。
金に投資する方法
金(ゴールド)そのものを買う
貴金属店でゴールドそのものを購入して高くなったら売る。値動きは比較的おだやか。守りの資産といえる。
ETFで投資する(手軽で初心者向け)
-
GLD(SPDRゴールドシェア)
金の値動きにほぼ連動するETF。金そのものに投資したいなら一番カンタン。 -
金鉱株ETF(GDX / GDXJ)
・GDX:大きな産金会社が中心
・GDXJ:中小の産金会社が中心で値動きが大きい
ETFは「まとめて金鉱株に投資できる商品」なので、初心者でも扱いやすい。
金鉱株に投資する(リターンは大きいが難易度も高い)
金鉱株は、金価格が上がると金以上に上がり、金価格が下がると金以上に下がる傾向があります。つまり、 ハイリスク・ハイリターン!
代表的な金鉱株銘柄は以下のとおり。
- バリック・マイニング(B)
世界有数の金鉱企業。銅も手がけ、アフリカに大型・高品質プロジェクトを多く持つ。コスト改善と生産安定に強み。
-
ニューモント・ゴールド(NEM)
アメリカ最大の産金会社。北米・南米・豪州に高品質鉱山を持ち、金を中心に銅も展開。安定した大手。 -
バリック・ゴールド(ABX)
世界トップ級の金生産者。アフリカを中心に大型・高品位鉱山を保有し、金と銅の両方で収益基盤が強い。 -
アングロゴールド・アシャンティ(AU)
南ア発の大手金鉱会社。アフリカや南米に資産を持ち、コストは高めだが金価格上昇時に利益が伸びやすい。 -
キンロス・ゴールド(KGC)
カナダの中堅大手。北米・西アフリカに主力鉱山を持ち、比較的低コストで安定した生産が特徴。 -
ハーモニー(HMY)
南ア中心の金鉱会社。鉱山の難易度が高くコストも高めで、株価は値動きが荒いハイリスク・ハイリターン銘柄。 -
アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)
カナダの優良金鉱会社。低コストで高品質鉱山を多く持ち、安定感と成長力を兼ね備える“優等生”。
金鉱株を見るときの重要ポイント
金鉱株を選ぶなら、見るべきポイントがあります。
-
AISC(採掘コスト):低いほど安定。
-
確認埋蔵量(Reserve):地中にどれだけ金が埋まっているか。多ければ有利。
-
負債(借金):借金が多いと金価格が下がったときに苦しい。
-
政治リスク:鉱山がある国の安全性や法律の安定性。
-
環境・労働問題:ストライキや環境規制で止まることがある。
なかでも注目しておきたいのがAISC(総維持コスト)。これは、金1オンスを掘り出すために必要な、すべてのコストのこと。
-
AISCが高い会社
→ 利益が出にくいが、金価格が上がると利益が一気に伸びやすい
→ ハイリスク・ハイリターン -
AISCが低い会社
→ 利益が安定しやすい
→ ローリスク・ローリターン
金鉱株のバリエーション(割高・割安の見方)
企業価値(時価総額)を確認埋蔵量(リザーブ)で割ってあげると、「地中の金1オンスに対して、市場が何ドルの価値をつけているか」がわかる。
-
コストの高い会社 → 株価は安くなりやすい
-
ジャラジャラ金が掘れる会社 → 株価は高く評価されやすい
以下は、2024年末時点の数値を引用してまとめています。
| 会社(ティッカー) | 時価総額(約) | Proven & Probable 埋蔵量(oz) | 市場評価 ($/oz) | 出典(時価総額 / 埋蔵量) |
|---|---|---|---|---|
| バリック・マイニング(B) | $616億($61.6B) | 89.0 M oz | $692 / oz | 時価総額: Yahoo Finance. 埋蔵量: Barrick Mining Corporation |
| ニューモント・ゴールド(NEM) | $94.1 億($94.14B) | 134.1 M oz | $702 / oz | 時価総額: Yahoo Finance. 埋蔵量: Newmont 2024 Reserves release(134.1M oz)。(Yahoo Finance) |
| バリック・ゴールド(ABX) | $66.9B | 89.0 M oz(attributable P&P) | $752 / oz | 時価総額: companiesmarketcap. 埋蔵量: Barrick 2024 Mineral Reserves(89M oz)。(Companies Market Cap) |
| アングロゴールド・アシャンティ(AU) | $42.6B | 31.2 M oz | $1,365 / oz | 時価総額: Yahoo Finance. 埋蔵量: AngloGold 2024 RR(31.2M oz)。(Yahoo Finance) |
| キンロス・ゴールド(KGC) | $31.3B | 21.9 M oz | $1,432 / oz | 時価総額: Macrotrends / StockAnalysis. 埋蔵量: Kinross SEC / 2024 reserves(21.9M oz)。(MacroTrends) |
| ハーモニー(HMY) | $11.4B | 40.3 M oz | $284 / oz | 時価総額: companiesmarketcap. 埋蔵量: Harmony Mineral Reserves(40.3M oz)。(Companies Market Cap) |
| アグニコ・イーグル・マインズ(AEM) | $83.2B | 54.3 M oz | $1,532 / oz | 時価総額: Yahoo Finance / StockAnalysis. 埋蔵量: Agnico 2024 reserves(54.3M oz)。(Yahoo Finance) |
「$/oz(=時価総額 ÷ 埋蔵量)」が高い or 低い をどう読むか
“高い” のが良い可能性があるとき
-
市場(投資家)がその会社の鉱床の質、埋蔵量の将来拡大可能性、副産物(たとえば銅など)が期待されている。
-
既存鉱山の運営コストが低く、将来的な収益性が高いと見込まれている。
→ この場合、たとえ “金の埋蔵量あたりの評価” が高くても、実質的な価値・将来リターンを妥当に織り込んでいる可能性がある。
“高い” からといって安心できない/割高の可能性があるとき
-
鉱床の採掘コストが高い(金価格が高くないと採算がとれない)、あるいは地政学リスクや運営コストの不透明性がある場合。
-
埋蔵量が多いが、採掘が難しい/コスト高かもしれない。
-
時価総額に、借入金/負債/将来コスト(設備、環境対策など)が十分反映されていない可能性。
“低い” のが良い/割安と見られるとき
-
鉱床の埋蔵量に対し時価総額が低く、まだ市場に過小評価されている可能性。将来、探鉱や開発で埋蔵量が拡大すれば大きなリターンの余地がある。
-
ただし、低コスト採掘や資産の安全性、会社の経営状況などを慎重に見る必要がある。
金鉱株のリスク
金鉱株には「金そのもの」にはないリスクがあるので投資する際は注意が必要です。調べておくべき項目は以下のとおり。
-
採掘トラブル(オペレーションリスク)
-
地域の政治不安(政変リスク)
-
環境問題リスク
-
埋蔵量の計算違い
-
為替リスク
-
借金の多さ
2026年の金相場見通し
多数の大手金融機関が「引き続き強気(=高値)」の見方を出しています。予想レンジは幅がありますが、おおむね 2026年にかけて $4,000~$5,000/oz のレンジを見込む強気観が多いです。
理由としては「中央銀行の買い」「ETFなどへの資金流入」「米FRBの利下げ期待」「世界の地政学リスク」などが挙げられます。
代表的な見解:
-
J.P. Morgan(プライベート):長期で強気、4,000ドル台〜5,000ドル台のシナリオ。 JPMorgan+1
-
UBS:2026年中頃に $4,500/oz などへ上方修正。 MINING.COM
-
Morgan Stanley:2026年にかけて $4,400/oz 程度という強気シナリオ。 Morgan Stanley
-
HSBC / 各行:一部は $5,000/oz を想定する強気見通しを示している。 Reuters+1
要点:短期は変動しますが、多くの大手が2026年に向け強気のため「金関連資産に注目が集まっている」状況。ただし銀行間で予想幅は大きい点に注意が必要!

コメント