今後株価上昇が期待できる銘柄として、オン・セミコンダクター(ティッカーシンボル:ON)が注目されています。その理由はどこにあるのか、本当に期待できるのか、少し掘り下げてみました。
注目されている理由とは?
オン・セミコンダクターの主要顧客は、AI関連企業ではなく自動車メーカーや製造業のクライアントです。これらクライアント企業の大半は、不振に陥っています。
コロナ渦の直後から、半導体が不足した際、各種自動車メーカーは部品調達を行いました。一時品薄だった半導体は、メーカー側の加重発注により、半導体在庫がだぶつき、2022年をピークに当社の半導体需要が低迷。これは、EPSと売上高推移を見ても明らかです。
ところが、自動車メーカーの低迷期が過ぎ、FRBが利下げ期に入ったことから、再び、半導体の需要が増えると予想されているのです。
製造企業も機械の自動化を推し進めるとすれば、産業向け半導体の需要をさらに押し上げることが想像できます。
ただし、2024年11月16日時点においては、自動車メーカーからの需要は低いという指摘もあり、足元では一進一退の株価推移です。
第3四半期決算
では、最新の決算発表で会社は何を語っていたのでしょう?
2024年10月に発表した第3四半期決算をみてみましょう。
EPSと売上高
EPSは、予想$0.97に対して、結果$0.99。
これは⭕️
売上高は、予想$1.75Bに対して、結果$1.76B。
これも一応、⭕️。
ただし売上高成長率は前年同期比-19.2%でした。
第4四半期のガイダンスは、EPSが予想$0.98に対し、$0.92~$1.04。中央値$0.98と予想と一致。
売上高は予想$1.76Bに対し、$1.7B~$1.81Bと中央値1.76Bとこちらも予想と一致しています。
- 好調な業績: 2024年第3四半期において、売上高と利益がともに予想を上回る好調な業績を達成しました。特に、自動車分野での需要が堅調に推移したことが業績を押し上げました。
- 今後の見通し: 会社側は、今後の見通しについても楽観的な見方を示しており、投資家の間では好感されているようです。
- キャッシュフローの改善: フリーキャッシュフローは前年同期比で大きく増加しており、財務体質の改善が進んでいると考えられます。
概ね、上記のような見方を会社側はしています。ただ同時にカンファレンスコールでは、社長兼最高経営責任者ハサン氏は「2024年通年では、第三者のレポートが示唆するような大きな市場成長は期待できない」とも発言しています。
株価は比較的割安放置されている
決算発表の内容を確認すると、すぐに上昇が期待できるというわけではなさそうですが、景気循環に左右されやすいオン・セミコンダクターが「降れば土砂降りの半導体銘柄」だと考えれば、これ以上の低迷リスクはさほどでもないと言えるかもしれません。
実際、予想利益に基づくPERは17倍。S&P500のPER22倍と比べると安心感があります。さらに、決算発表であったように、フリーキャッシュフローが伸びており、会社側の自社株買いが進めば下振れリスクは大きくないと判断されても納得できます。
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